「まちなかに焼菓子工房をつくりたい」
というご相談でした。
焼菓子工房というのは食品づくりの現場ですから、ふつうのひとがふらりと立ち入ることができるような場所ではありません。けれど、足を踏み入れることのできないその扉の向こうでは、職人たちの手からおいしい秘技が繰りだされているはずです。はっきりと見ることはできないその仕事ぶりをさりげなく予感させるようなエントランスをデザインしたい、と生活考案室は考えました。コーティングされていないオークやアッシュなどの無垢材、真鍮のドアノブなどを採用したのは、それらがごまかしのないすぐれた素材と味わいの隠喩となる、と考えたからです。
こうして設計されたこの工房の入口に立てば、おいしい予感に胸踊ります。
・リノベーション
・店舗設計