「ピッツェリアをつくりたい」というご相談でした。

酪農の盛んな地区なので、酪農家から仕入れた生乳で自らモッツァレラチーズをつくりたい。小麦や野菜も生産者の顔が見える、良質なものを選びたい。大地の煌めきを感じさせるような味わいを提供するピッツェリアをつくりたい、というオーナーの願いがありました。
地域への想いに溢れたピッツェリアらしい、テロワールを滲ませた空間を提案したいと生活考案室は考えました。このあたりで採掘されたローカルな石材、地元に植生する木々、時を刻むほど味わいを深くする鉄や真鍮など、物言わぬ物質でしかないはずのそれらの素材がひとりでに土地の物語を語りだすような空間をデザインしました。

こうして出現したのは、この地らしい農家の納屋を想起させるフォルムのピッツェリア。オーナが抱く想いの具現です。