生活考案室の事例

考えたのは「余韻」です。

「小さな美容室をつくりたい」
というご相談でした。

エレベーターもない小さなビルの3階。その短くはない道のりを上りきった先にあるのは、たったひとりの美容師がもてなす特別な時間です。空間は華美ではありませんが上質な素材やディティールで構成され、特別な空気が流れています。お客様をお迎えする扉も椅子も鏡も職人の手仕事によってつくられたもので、美容師の手仕事とも深いところで繋がり、優しさと温もりのある心地良い雰囲気を醸し出しています。長い階段を上がってゆくときのときめきや、降りてゆくときの至福といったお客様の心に残る余韻や情景。そうしたものを思い描き考案されたこの空間には、主が好きなように彩れる余地も存分に残されています。

こうしてこの美容室は、軽やかに近づいてくるお客様の足音を今日も静かに待っています。

・コンセプト
・リノベーション
・店舗デザイン施工
・建具デザイン制作