生活考案室の事例

考えたのは「跡形」です

「そのひとらしさのある空間を」
というご相談でした。

依頼主は大家のかた。クリエイションに深い理解をお持ちで、入居者の希望に合わせて空間に手を加え提供されます。そして新たな入居者は、自らつくった服を美しくディスプレイし鬻ぐことを生業とされるかた。用いる素材は世界中のリネンや絹、キャラコのヴィンテージなど、単なる素材以上のなにかを宿したものばかりです。その「なにか」とは、布地に刻まれた歴史や物語でもあるでしょう。そんなクリエイションの場を手掛けるにあたり浮かんだ言葉は「時間と素地」。天井、階段裏など殆どを手を加えず剥きだしのままとし、そこに積み重ねられた数十年という時を引き出し、露わにし、そして濃密にし、これからここで生み出される作品の一部とさえもなりえたら、と考えました。

こうして生まれたアトリエは、入居された方の創造と響き合い、調和しています。

・コンセプト
・リノベーション
・店舗デザイン施工